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いつ起こるか分からない「その時」のために、誰もが安心して使える場所を
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- 近年、日本各地で自然災害が相次いでいます。
そのたびに問題となるのが、避難所におけるトイレ不足や、障がいのある方・小さなお子さん連れの方・女性が安心して使えるスペースの不十分さです。
たとえば、介助が必要なトイレや狭く不衛生な空間は、車いす利用者にとって大きな負担になります。
授乳やおむつ替えに困るご家庭、着替えや身だしなみに気を配りたい女性にも、安心して使える空間はほとんどありません。
「災害はいつ起きるかわからない」
だからこそ、誰もが安心して使える環境を、日ごろから準備しておく必要があります。
私たち大阪総合保育大学短期大学部(そう短)は、地域の課題を自分たちの手で解決したいという思いから、地元企業と連携し、多機能型の防災ロッカーの開発に取り組んできました。
トイレ、授乳・おむつ替え、女性の着替えにも対応した仕様で、災害時に配慮が必要な人たちの「安心の居場所」を目指しています。
このクラウドファンディングでは、防災ロッカーの開発費用に加え、展示イベントや市民向けワークショップ、地域への普及活動の費用を募りながら、少しでも多くの方に私たちの取組みを知っていただけると嬉しいです。
「災害弱者を置き去りにしない社会」を目指して――
この取り組みに共感いただけましたら、ご支援をお願いいたします。
また、SNSなどでの情報拡散にも、ぜひご協力ください。 -
平常時はロッカー、非常時は多目的室へ
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- 「防災は日常の延長線上にあるべき」
そんな想いから、この防災ロッカーは生まれました。
平常時には、災害用備蓄品や衛生用品を収納するロッカーとして活用され、地域の公園や広場など、公共の場所に設置されます。
ところが、モニター調査を通じて多くの方からこんな声が寄せられました。
「公園に置いてあると、いたずらされたり壊されたりして、いざという時に使えなくなるのでは?」
そこで私たちは、「地域に親しまれる存在にすることが、防災ロッカーを守ることにつながる」と考え、思わず話しかけたくなるような“かわいいデザイン”を取り入れました。
子どもや親が「なんだろう?」「触ってみたい」と関心を持ち、日常の中で目に留まることで、自然と防災意識を育む効果も期待しています。
そして非常時には、ロッカー内部に設けたトイレとその両サイドのスペースが、授乳・おむつ替え・着替えなどに使える多目的空間へと早変わり。
車いす利用者が前方から使える便器構造も採用し、災害時に配慮が必要な方々をサポートします。
「いつもは備えるロッカー。もしもの時には、命を守る空間に。」
このロッカーは、日常と非常時をつなぐ新しい防災のかたちです。 -
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- 【モニター調査の様子】
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学生の熱意と、地元企業様の力の連携
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- このプロジェクトは、「誰もが安心できる防災環境を、地域の手でつくりたい」という、ある学生の真剣な問いかけから始まりました。
授業や地域活動を通して防災について学ぶ中で、
学生たちは強い課題意識を持つようになりました。
「災害時、子どもや高齢者、障がいのある人、女性が安心できる空間が本当に足りているのだろうか?」
この問題提起に応えてくださったのが、地元企業の皆様です。
「平常時はロッカーとして使いながら、災害時には多機能スペースになる」という画期的な構想は、企業様の技術力と実現力によって形にされていきました。
そして現在、その最初の想いは後輩たちに引き継がれています。
今の学生たちは、「どうすればこのアイデアを地域の人々に関心を持ってもらえるか」「親しみを感じてもらえるか」を考えながら、企業と一緒にかわいくて親しみやすいデザインや、日常の中で防災を意識できる工夫を検討しています。
「こんなロッカーなら公園にあってもいいね」と思ってもらえるように。
子どもたちが「この猫、知ってる!」と親しみを持ってくれるように。
そんな願いを込めて、産学連携によるデザイン開発は現在も進行中です。
このプロジェクトは、先輩たちの想いを受け取った後輩たちが、自分たちの力で形にしていく、実践的な学びの場となっています。 -
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「防災ロッカー製作委員会with J 」参加企業様のご紹介(敬称略)
- ㈱高永化学
㈱澤田製作所
しずくいろ
鈴木印刷工業㈱
スマイルキッズ㈱
ディフロンティア㈱
㈱東和機器
㈱桃谷紙工所
八木産業
吉原建設産業㈱
ワンダルドMIYU -
2025年大阪・関西万博へ!防災の未来を発信
- 私たちの開発した多機能型防災ロッカーが、2025年10月7日から10月13日まで開催される大阪・関西万博の大阪ヘルスケアパビリオンに出展されます。
平常時は災害備蓄品を収納し、災害時にはトイレや授乳・着替えができる多目的スペースに変身するロッカー。
子ども連れの家庭や女性、高齢者、障がいのある方など、災害時に配慮が必要な人たちの視点から開発された新しい防災のかたちです。
会場では、実際に中に入って体験できる展示も予定しています。
地域の企業様と学生がともに取り組むこのプロジェクトから、「やさしくて頼れる防災」の未来を世界へ発信します。 -
リターンについて
- 今回のプロジェクトでは、防災の備えとなるアイデア商品から可愛い缶の小物入れなど、「防災ロッカー製作委員会with J 」にご参加いただいている企業様の商品を中心に返礼品をご用意しております。
このプロジェクトをご覧いただき、防災の大切さを改めて感じていただくきっかけとなりましたら幸いです。
また、先輩方がこれまで築き上げてきた、他の産学連携の取組みの中で生まれた「オリジナルコーヒー」や「トロッピーカレー」もございます。
ご支援いただいた資金は、多機能型防災ロッカーのプロトタイプ作成や実用化にかかる資金として、また、要配慮者にも優しい防災設計の重要さを啓蒙していくための展示イベントやワークショップなどの普及活動に活用させていただきます。
あたたかいご支援の程、何卒よろしくお願いいたします。 - 今回の返礼品では次の企業様にご協力していただきました。
どちらも、防災ロッカーの開発でも大変ご尽力いただいています。 -
鈴木印刷工業㈱
- 昭和39年の創業以来、半世紀以上にわたってお菓子やお茶のパッケージ缶に使われる鋼板(ブリキ板・表面処理鋼板など)に対し、塗装・印刷・WAX加工・切断の4種加工を一貫して手がけてきた金属印刷の専門企業様です。
長年培ってきた技術とノウハウにより、お客様の多様なニーズに応える高品質な加工を提供し続けておられます。
また、自社ブランド「カンカンラボ」を立ち上げ、豊富な経験と業界ネットワークを活かして、お客様の想いをカタチにするオリジナルデザイン缶の提案・販売も行われています。
本プロジェクトでは、幹事企業としてチーム全体の運営を担われながら、防災缶の企画・製造などを通じて、誰ひとり取り残さない災害対策の実現に貢献していただいています。 -
スマイルキッズ㈱
- スマイルキッズ株式会社は、親会社である旭電機化成株式会社時代も含めて30年の間に約1000点の製品開発を実施されており、そのうち数百点が防災グッズです。
豊富なマーケティング経験と実績を持つ同社は、企画力、プロデュース力、スケジュール管理を武器に、このプロジェクトを推進する上で重要な役割を果たしていただいています。
プラスチック部品や金型の設計開発、ゴムや金属を用いた部品製造、さらには製品の組み立てから品質管理、品質保証、安全性、耐久性の確認に至るまでの一連の技術をお持ちです。
また、数百回に及ぶマスコミを通じた情報発信とメディアアプローチの経験も、防災ロッカープロジェクトにおいて貴重な資産となっています。 -
開発にご協力いただいた地元企業様(敬称略)
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㈱高永化学
- アイデア創出、VE提案、試作開発に加え、切削・曲げ加工を含む幅広い樹脂加工技術の見識をお持ちです。
特に樹脂押出成形技術が優れており、パイプの成形技術に特化しています。
オーダーサイズやカラーでの製作が強みであり、Webを通じて全国のユーザーへ製品を提供されています。
近年では、自社成形品を基に様々な樹脂加工メーカーとのネットワークを活用し、新たな製品開発にも力を入れておられます。
2020年のコロナウイルス感染拡大時には、自社で飛沫感染防止のパーティションを開発、販売し、その功績が日刊工業新聞や産業情報化新聞社に取り上げられました。
防災ロッカープロジェクトにおいては、樹脂パイプを用いたフレーム構造のモックアップ製作や手摺の製作をご担当され、プロジェクトへ大きく貢献していただいています。 -
㈱澤田製作所
- 創業から63年にわたり薄板の板金プレス加工を専門とし、空調設備、看板、照明器具など多岐にわたる分野での試作品開発から量産品の製造、組立までの一貫生産をされています。
その卓越した技術とサービスは、取引先から高い評価を得ておられます。
防災ロッカープロジェクトでは、主要なロッカー部分および各種金属部品の試作開発やVE提案を通じて、同社の薄板板金製造技術を活用し、プロジェクトに大きく貢献していただいています。
このプロジェクトを通じて、緊急時のニーズに応える革新的なソリューションを提供し、社会的責任を果たすと同時に、安全で快適な社会環境の構築に寄与していけるよう取り組まれています。 -
しずくいろ
- 介護の国家資格である介護福祉士としての資格を活かし、軽度から重度の要介護状態の方々に対して、多年にわたる豊富なケア経験をお持ちです。
さらに、介護施設や障がい者福祉施設へ出張し、美容サービスを提供することで、「介護美容」という新たな分野の開拓者としてご活躍されています。
この独自の経験を生かし、国家資格取得から現在までの10年以上にわたり、様々な身体状況の方々との接点を持ち、それら全ての経験からユーザーに寄り添った意見提供とリサーチを可能にされてきました。
防災ロッカープロジェクトでは、高齢者や障がい者といったターゲットユーザーのニーズを深く理解するため、専門的な視点からのアイディア出し、リサーチを行っていただいています。
未来志向の視野を広げ、介護業界における革新的なアプローチで更なる価値を提供し続けることを目指されています。 -
ディフロンティア㈱
- ディフロンティア株式会社は、最先端技術を活用し、依頼企業の既成品や独自技術との組み合わせをソムリエのようにご提案されています。
さらに、自社独自の実験的な試作品を制作されています。
防災ロッカープロジェクトでは、試作デザインと設計をご担当いただいています。
製作委員会の参加型体験活動から得られるフィードバックを基に、デザインの見直しや、製造に必要な加工データの具現化をされています。
また、最終製品の品質設計も担当し、デザインの発案や、世界的に転用可能な技術の探索と提案も行っていただいています。
提案された技術に基づく評価試作の設計及び、その製造加工データの提供も重要な役割です。 -
㈱東和機器
- 精密板金および各種装置の製造開発を幅広い分野から受注されており、「有資格者」による高度な溶接技術と開発力を活かし、取引先から「品質、納期、コスト」の各面で厚い信頼を寄せられています。
防災ロッカープロジェクトでは、精密板金、製缶加工、装置製造で培った製作技術を活用し、防災ロッカーの増設機能や筐体の機構構造の開発、提案、アドバイス、製造を担当していただいています。
また、産学連携を通じて学生のアイデアを具体的な形に変え、ものづくりへの興味を引き出し、製造業の雇用促進に寄与されています。 -
㈱桃谷紙工所
- 創業65年で、紙の加工、いわゆるトムソン加工に特化した企業です。
主に、日用品や工業製品などの様々な業種のパッケージを製造されています。
近年では、その技術力と設計力を活かした紙製品の開発を行われています。
防災ロッカープロジェクトでは、弱者救済のコンセプトのもと、紙の自助具の開発に携わっていただいております。
紙の特性を活かし、日々の生活で抱える不自由さを少しでも改善し、価格を抑える事で、身近に自助具があり、こんな便利な物があるという事をもっと、もっと世の中に伝えていきたいと考えられています。
気を使わず、自分でできる楽しさを感じて貰い、生活に彩りができることを目指されています。 -
八木産業
- 創業から57年間、発泡スチロール加工に携わりスチロールカット製品、成形品等を販売されています。
梱包用緩衝材、建材、土木用などに用いられ、同業他社との連携で現在の多品種、小ロットの発注に対応しています。
発泡スチロールは原料が2%、空気が98%の省資源の製品でリサイクル率も、樹脂製品ではトップの90%近くでリサイクル特性に優れた製品です。
防災ロッカープロジェクトにおいては、試作モデルの製作に発泡スチロールの加工性を活用したり、万博後の製品製造に向けてスチロールにポリウレア塗装を組み合わせることでパネルの軽量化と強化を図るなど、長年の発砲スチロール加工のご経験を活かして、プロジェクトへ大きく貢献していただいています。 -
吉原建設産業㈱
- 創業以来公共工事を主軸に展開してきた企業様であり、大阪府および大阪市を中心に数多くの公共施設の施工を手掛けられています。
その豊富な経験と専門知識を活かし、防災ロッカープロジェクトにおいても公共建築物の施工に関する深い洞察をご提供いただいています。
具体的には、適切な設置条件と公共性を考慮したVE提案や、防災ロッカーの設計と施工における安全性への配慮が含まれます。
また、大阪府や大阪市をはじめとする各自治体との連携においても、その強みを十分に発揮していただいており、地域社会に積極的に貢献し、公共プロジェクトを通じて地域の安全と発展に寄与されています。
吉原建設産業株式会社は、地域に根ざした企業として、その専門性と経験を活かした活動を継続されています。 -
最後に
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- 私たちは、この防災ロッカーの開発と万博への出展を第一歩として、誰もが安心して暮らせる地域社会の実現を目指していきたいと考えています。
将来的には、この防災ロッカーが全国の公共施設や公園などに広がり、災害時に地域の人々がすぐに使える「安心の拠点」となることを願っています。
また、この取り組みを通じて、防災を「特別なこと」ではなく「日常の一部」としてとらえる文化を、子どもから高齢者まで幅広い世代に届けていきたいと思っています。
今後は、防災教育への活用や地域住民と連携した運用モデルの提案、さらには国内外への展開も視野に入れながら、プロジェクトをさらに発展させていく予定です。
このプロジェクトにご賛同いただき、ご支援いただける皆様は、私たちの想いを共有し、“やさしくて、使える防災”の未来を共につくる仲間です。
皆様の温かいご支援と応援を、心よりお願い申し上げます。