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ご挨拶
- 公益財団法人郭巨山保存会理事長の平岡昌高です。郭巨山町に生まれて75年、町衆として祇園祭とともに歩んできました。この度、未来に何を残してゆくか考え、町会所の改修プロジェクトを実施することにしました。
祇園祭「山鉾巡行」は山と鉾をそれぞれ受け継ぐ町衆が私財を投じ、多くの災難を乗り越え伝承されてきました。長きにわたり、信仰心と情熱を持った町衆によって受け継がれてきたとはいえ、コロナ禍や担い手の減少もあり、資金はまだまだ厳しいのが現状です。改修により、より多くの人が郭巨山に関われるようになることを機に、皆様のご支援をお願いすることにしました。
3年ぶりの祇園祭を、新しい町会所でできることを楽しみにしています。つきましては、一人でも多くの皆様方のご支援・お力添えを賜りたく、宜しくお願い申し上げます。 -
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町会所の重要性
- 現在の郭巨山の町会所は四条通の南側に面して建てられております。
明治40(1907)年、市電敷設による四条通の拡幅により南側が削られたため、懸装品の展示公開の間取りが狭くなってしまいました。重なった状態での懸装品公開が100年以上も続き、見学の方のご不便や懸装品の傷みが懸念されます。
山鉾巡行には、御山・御神体・懸装品に加え、熱い情熱を持った人々と、町会所・収納庫(蔵)が無くてはなりません。
この改修工事によってできるようになることは次の4つです。
耐震補強により
・山鉾の安全な保存
増床により
・懸装品の展示公開の場の確保
・御山舁き手の着替え場の確保
・地域住民の方々の会議場、勉強会の会場確保
新しい会所は、関係者や地域の皆さまの交流できる憩いの場としても使用します。
ご支援いただいた方々のお名前を刻むことで後世に受け継ぎ、これまで地域住民にしか味わえなかった「祇園祭」を広く身近に感じていただければと思います。 -
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郭巨山について
- 【郭巨山とは】
郭巨山が文献で確認できる一番古いものは室町時代の1600年。その頃教養として人気のあった、中国史話の二十四孝「郭巨釜掘り」の故事に因んでいます。黄金一釜を「金の釜」で表現し山洞に乗せています。
【郭巨山の粽】
祇園祭の厄除けの粽は「蘇民将之子孫也」の御札と由来に因む縁起物が添えられます。郭巨山では金運開運の小判のお守りが添えられ、金運、商売運にご利益があるとされています。通常は赤いお札を付けるところ、クラウドファンディングの特製仕様を施します。 -
- 【郭巨山の懸装品】
山鉾巡行で一際目を引く織物懸装品の胴掛類。天明5(1785)年に新調された円山応挙の師である石田幽汀下絵のものと、上村松篁下絵の四面四季のものがあります。
御神体の御人形、郭巨殿と御童子は天明の大火で消失後、寛政4(1792)年に金勝亭九右衛門利恭によって作られたものです。 -
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集まった資金の使い道
- 改修工事は令和3(2021)年10月に着工し令和4(2022)年6月下旬完成予定です。
工事総額は約3000万円。補助金が約500万円で、2500万円が必要資金となります。
保存会の手持ち資金や町衆の寄付を募っていますが、コロナ禍や町民の高齢化も進んでいることから、この度皆さまの寄付のご協力を得て完成させます。
余った資金は祇園祭を後世に継承するための活動に活用したいと考えております。 -
リターンについて
- 郭巨山の授与品は、巡行を支えていただいた人へのお礼として使われ、今まで一般授与はほとんど行われていませんでした。今回のクラウドファンディングにあたり、デザインを一新、復刻するなどオリジナル商品を用意しました。
【特製記念扇子】
郭巨山の由来である「郭巨釜掘り」の故事に因んだ釜と鍬が図案としてあしらわれております。昭和40年代に製作された図柄を今回、クラウドファンディングの返礼品として復刻しました。 -
- 【四本柱使用木札に揮毫して会所に掲載】
祇園祭の山鉾は一切釘や金具を使わず木組みと縄のみで建てられます。その山を支えるのが四方の中心となる四本柱です。今回、禁門の変の後に再建され、平成20(2008)年まで使用していた四本柱を木札に加工して、お名前を記して会所に掲げます。
復刻版オリジナル扇子とセットで3万円20名様、および5万円以上のご支援いただいた方への限定となります。 -
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リスクとチャレンジ
- 新型コロナウィルス感染症をはじめ、社会状況・自然災害の影響によっては、やむを得ず修復工事の期間が延長され、各返礼品の提供時期も遅れる可能性がございます。あらかじめご了承ください。
また、観覧、体験等の実施にあたりましては、感染拡大防止に細心の注意を払います。お越しいただく皆さまには、感染予防対策へのご理解とご協力をお願い申し上げます。 -
寄付控除について
- 本プロジェクトは、寄付型(寄付控除対象)となります。今回ご用意しましたリターン(返礼品)何れにもご支援いただきました皆様に、寄付金控除証明書を送付いたします。
本プロジェクトを通じてのご寄付は、所得税、住民税などの優遇措置が受けられます。また、手続き方法や金額などの詳細は、お住まいの地域の税務署にお尋ねください。 -
さいごに
- 明治末期の市電敷設で四条通の拡幅で削られ、狭くなった郭巨山のお飾り場を十分に一般の方に観ていただくことができないのが長年の懸案でした。
平成30(2018)年の財団認可により、ようやく会所の改修工事に取り掛かることが現実となりました。
巡行用の胴掛類、大人形と小人形の二体の御神体も存分に観ていただけるようになります。また、2階も広くなり遠来の関係者の休憩場や巡行前の供奉者と山舁きの着替えができるようになります。
また、現代の建築技術を活用することで木造の町会所を百年先の未来にも残すことできるはずです。
現在は、天明5(1785)年に新調された胴掛類に傷みが出始めていますが、このプロジェクトが成功すれば、次は胴掛類の復元新調にも取り掛かろうと思います。皆さまのご篤志がこれからの郭巨山の血となり肉となり家となります。
最後までお読みいただきありがとうございました。
ご寄付にはささやかではございますが返礼品をご用意しております。
よろしくお願い申し上げます。 -
応援メッセージ
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天花寺さやか さん(小説家・2022年「京都本大賞」受賞)
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梶田真章さん(法然院 貫主)
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山村 純也 (株式会社らくたび 代表)
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中村仁さん(株式会社ことばのはおと代表)
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