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2002年の極甘口トカイワインなど、8種のハンガリーワインペアリングイベントを2月15日昼、阿倍野で開催
- 西宮に本社を置くハンガリーワインのインポーター、株式会社La Barat(ラボラ)が、フラッグシップの2002年ヴィンテージ、琥珀の極甘口トカイワインなどをお出しして、ハンガリーの牛肉トマト煮込みスープなどともに楽しんでいただくイベントです。
世界三大貴腐ワインとして知られるトカイワインは、ハンガリー東部・トカイ地域の貴腐ワイン。そのトカイ地域は貴腐ワイン発祥の地とされています。そして、ハンガリー自体も19世紀において世界三大ワイン産地だった「ワインの国」なのです。
当日は、近鉄文化サロン阿倍野で講座を持つLa Baratの飯塚も参加し、ハンガリーの歴史やトカイワインの歴史などもお話します。ぜひ、ハンガリーワインのすばらしさをお楽しみください。
※20歳未満の方に対しては酒類を提供できません。 -
駐日ハンガリー大使館のイベントでも人気の琥珀のトカイワイン
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- La Baratは2020年にハンガリーワインの輸入を始めたハンガリーワインとハチミツのインポーターです。輸入した時はすでにコロナ禍でしたが、その合間を縫って東京・青山の駐日ハンガリー大使館でペアリングイベントやピアノイベントを開いてきました。
大阪ではあまりイベントを開く機会がなかったのですが、この度、かつて本社を置いていた阿倍野のなじみのバー・バグパイプでペアリングイベントを開くことになりました。
La Baratの飯塚がもっとも味わっていただきたいと思っているのは、モンテトカイ トカイアスー 6プットニョシュ 2002です。大使館イベントでも毎回お出しして好評をいただいている極甘口トカイワインです=写真はイベント時のもので、真ん中がモンテトカイです=。その色は琥珀そのもの、そしてその味は琥珀の色が想起させる複雑、芳醇な味わいです。
1リットル当たりに含まれる糖分・残糖度は169グラムと、極甘口トカイワインの中でもずば抜けています。ただ、きれいな酸があり、複雑・芳醇な味わいがあることから、甘さをストレートには感じず、甘さと複雑・芳醇な味わいが口の中全体で感じられ、まさに口福(こうふく)、幸せのワインです。 -
甘口3種、白3種、赤2種を予定
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- お出しするワインは、上の写真の8種を予定しています。
ウエルカムドリンクとして、トカイ地方の微発泡の超辛口白ワインをお出しします。下の写真は、ウエルカムドリンクとして出された大使館イベント時の乾杯グラスです。この時はスイカを入れてもらっていました。このワインは酸味が強く、高い発泡性が爽快です。
赤ワインは、ボルドーと同緯度にある赤ワインの銘醸地・ヴィッラーニ地方のカベルネソーヴィニヨンとカベルネフランの2種、白ワインはトカイ地方の2種類を予定しています。
そして、2002年琥珀のモンテトカイ以外に素直なタイプの甘口トカイワイン(サモロドニタイプ)と、モンテトカイの弟分の琥珀の甘口トカイワイン(サモロドニタイプ)をお出しします。
辛口は70cc、甘口は50cc程度を考えていますので、お1人500cc程度のワインをお飲みいただけます。
また、お酒の強い方には、ハンガリーのフルーツブランデー・パーリンカを味わっていただこうと思っています。また、辛口ワインやサモロドニタイプの甘口トカイワインは1杯800円でグラス売りも致しますので、飲み足りないワインがあれば、お申しつけください。 -
パプリカパウダーたっぷりのグヤーシュ、赤ワインとともにお楽しみください
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- お出しする食事のメインはグヤーシュです=写真は大使館イベントで出されたグヤーシュです=。グヤーシュはハンガリーの郷土料理。パプリカパウダーをたっぷり使った牛肉のトマト煮込みスープです。パプリカパウダーにはあまり味はないのですが、たっぷり使うことでコクが生まれ、とても美味しく、赤ワインにぴったりのスープとなります。
バケットも用意しますので、赤ワインとグヤーシュとともにお楽しみください。
また、カモ肉のパストラミやクリームチーズ、カマンベール、ドライイチジク、ナッツも用意します。
甘口ワインのおともには、自社輸入したハンガリーの透明度抜群のアカシアハチミツをかけたブルーチーズ、キャラメルチーズの愛称で知られるノルウェーのチーズをお出しします。 -
近鉄阿部野橋駅すぐの会場・バグパイプ
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- 会場となるバグパイプは近鉄阿部野橋駅の南側道路沿いのビル2階にあります。25年前から続く老舗バーで、La Baratの飯塚が10年以上前の阿倍野在住時からよく通っているバーです。
店内はカウンターの奥にテーブル席が20人分ほどありますので、10人以上になっても余裕で入ることができます。また、イベント当日、お店は午後2時オープンとなりますが、カウンター席との間に壁がありますので、気にする必要はほとんどありません。
ただし、店と外との間には階段しかありませんので、飲みすぎには注意です。 -
トカイワインとは、貴腐菌がもたらす奇跡の甘み
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- 貴腐ワインは、貴腐菌(ボトリティス・シネレア菌)というカビがブドウの果皮に感染することで生まれる希少な極甘口ワインです。ただ、貴腐菌自体は珍しいものではありません。世界のどこにでも存在する常在菌で、当然日本にも存在します。
写真右側にあるように、イチゴなどの果実やシクラメンなどの花を腐らせる灰色カビ病の原因になる厄介なカビとして知られ、ブドウの実も貴腐菌に感染すると通常は腐ってしまいます。
それがなぜ甘いワインを生み出すかというと、貴腐菌に感染したブドウは一定の気象条件の下で、左側の写真のように干しブドウのようになって蜜の香りと蜜の味わいを凝縮させていくからです。 -
世界三大貴腐ワイン・トカイワインは「ワインの王」
- ハンガリーが世界に誇るトカイワインは、世界三大貴腐ワインの1つです。残る2つはフランスのソーテルヌ、ドイツのトロッケンベーレンアウスレーゼです。トカイはハンガリー東部の地名です。日本ではそれほど知られていませんが、トカイ地方が貴腐ワイン発祥の地とされています。
1550年ごろには甘口貴腐ワイン・トカイワインが造られていたとされますが、そのころにはワインは辛口しかなく、世界初の甘口ワインだったと思われます。
このため、ヨーロッパの貴族の垂涎の的となり、17世紀を生きたルイ14世が「王のワインにして、ワインの王なり」と絶賛して愛飲したと言われています。 -
抜群の人気から、AOCより200年早く原産地呼称制度を創設
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- トカイワインは大人気となり、偽造防止のため1737年、国王令によってトカイのワイン造りの規則が定められるとともに、トカイ地域以外のワインがトカイを名乗ることを禁じる原産地呼称制度ができました。右の写真はそのための印章、左の写真はそれら当時の史料が展示されているトカイ博物館です。AOCとして有名なフランスの原産地呼称制度ができた1935年のほぼ200年前です。
そのころから厳格なワイン造りに取り組み始めたトカイ地域では今も厳格なルールが定められています。 -
今も残糖度などで厳格、緻密にランク付け
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- その1つがトカイワインのランク付けです。
貴腐ブドウだけでつくるエッセンシア、貴腐ブドウと普通のブドウを分けて醸造して甘みを高めるアスー、貴腐ブドウのある房をまるごと醸造するサモロドニ。この3つが主なランクですが、アスーには5プットニョシュと6プットニョシュがあります。
各ランクには、1リットル当たりのワインに含まれる糖分・残糖度が決められており、5プットニョシュは120グラム以上、6プットニョシュは150グラム以上必要です。このような緻密なランク付けはトカイワインだけに見られるものです。
ちなみに、甘口サモロドニは45グラム以上必要ですが、今回お出しする2本は80グラムと63グラム。最低基準を優に超えています。